ラグビーの影で忘れられたW杯の数々
ラグビーのワールドカップ(W杯)が、いよいよ盛り上がってきました。
日本代表は、世界ランキング2位のアイルランドを相手に番狂わせを演じて世界を驚かせました。
ぼくは録画で試合を見たのですが、内容も互角以上で、素晴らしい戦いぶりでした。
前回大会で南アフリカを破ったときは「ラグビーW杯史上に残る奇跡」として大騒ぎになりましたが、今回も「センセーショナルな結果だ!」と海外メディアは報じていますね。
たいして楽しいことがない日々を送っているサラリーマンとしては、こういったワクワクする試合を見せてくれるのはうれしい限り。
できればリタイアしてリアルタイムでビールでも飲みながら応援したいんだけどな。
来年には退職している予定なので、職場でそわそわしながら働いている人たちをよそ目に、生中継を楽しもうっと。
ところで、W杯と言えば、9月にバレーボールのW杯をやっていたの、知ってますか?
女子の日本代表も出場してたのですが、結果は6勝5敗。
平凡な成績で、ほとんどニュースにも取り上げられないまま終わってしまいました。
今月からは男子のW杯も始まっているのですが、注目度は女子よりも低いと思います。
初戦は世界ランク3位のイタリアに勝ったので、盛り上がるといいのですが。
この後も結果を残さないと、大会があったのも知られないまま、ひっそりと終了してしまう恐れがありますね。
実は、今年の6月にはサッカー女子のW杯も行われています。
なでしこジャパンが出場した大会です。
なでしこといえば、2011年に世界一に輝いて大フィーバーを起こしたのを誰もが思い起こすでしょう。
国民栄誉賞まで受けましたからね。
澤穂希さんは国民的なスターになりましたよね。
でも、今回のW杯はまったく騒がれないまま終わりました。
どんな選手が出ていたのかを知っている人はほとんどいないだろうし、それどころかW杯があったことを知らないままの人たちも多かったのではないでしょうか。
それもそのはず。
決勝トーナメント1回戦であっさり敗退して、ニュースにも大きく取り上げられなかったからですね。
W杯といえば、今年はバスケットボールのW杯もありました。
八村塁らを擁する日本も出場したのですが、こちらも3戦全敗でまったく歯が立たないまま予選敗退。
出場するときはニュースになっていましたが、いざ本大会が始まると尻すぼみで終わってしまいました。
勝負の世界は、結局勝たないとダメなんですね。
どんなにいい戦いをしようと、カッコイイ選手がいようと、勝ったやつがエライ。
吉田沙保里が活躍したのは女子レスリングというマイナースポーツでした。
でも、オリンピックで3連覇すると「霊長類最強の女」と呼ばれるくらい注目を浴びて、いまはCMにも引っ張りだこです。
失礼だけど、彼女よりも美人だったりスタイルが良かったりする選手はほかにもいるでしょう。
でも、金メダルを3個の偉業を、誰もが認めて評価しているのです。
ぼくらが働いている世界は、いろんなしがらみやコネ、利権などによって物事が決まることも多いですよね。
必ずしも実力だけでは決まらない。
納得がいかないまま、泣き寝入りしたり、あきらめたりすることも少なくありません。
だから、スポーツのような実力の世界を見ると気持ちが晴れるのかもしれません。
そこでは、敗者でさえ清々しく見えます。
残酷なことに、勝負の世界は年をとるごとに衰えが顕著になる世界でもあります。
実績のある人も、後から押し寄せる若い世代に駆逐されていく。
必ず世代交代が起きます。
そんななかで、先日、将棋の木村一基九段が46歳で初タイトルという偉業を成し遂げました。
従来の初タイトルの記録が37歳なので、どれだけすごいことかが分かるでしょう。
タイトル挑戦7度目にして初の栄冠です。
「オレはタイトルには縁がないまま将棋人生を終わるのだろうか」と諦めかけたことも、きっとあったでしょう。
将棋のタイトル保持者はほとんどが20代や30代です。
46歳は、普通に考えると、とっくに下り坂に入っています。
それが、29歳の豊島二冠から王位を奪取した。
対局後のインタビューでは涙をぬぐったそうです。
木村九段の愛称は「将棋の強いおじさん」。
世のおじさんたちは狂喜乱舞ですね。
髪の毛も薄くなった木村九段が、これほどカッコよく見えたことはありません。
勝負の世界は、こうしたことがあるから面白い。
残酷だけど、希望もあるんですね。
ぼくはもう、第一線で頑張っていこうという気力と体力は薄れています。
アラフィフで頑張るのって、さすがにしんどいんです。
でも、まだまだ頑張っているおじさんたちのことは、応援していますよ〜