ひまつぶしライフ

人生は死ぬまでのひまつぶし。セミリタイアして、そんな日々を送りたい。

退職届を提出した・・もう後には戻れない

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サラリーマン人生を送っていて、退職届を出すという経験はそうそうありません。

ぼくは50年近く生きていて初めての体験になります。

というより、最初で最後になると思います。

いよいよ、その日がやってきました。

 

前夜。

書面に必要事項を記入して、はんこを押しました。

そして、希望退職の募集に応じて来春に退職する旨を上司にメールで簡潔に伝えました。

メールの送信ボタンを押す前に、もう一度、読み返します。

「これを送ったら、もう後には戻れない。会社に勤めることも、安定した給料をもらうことも、2度となくなるだろう」

ふと、そんな思いが頭の中をよぎりました。

本当に辞めて大丈夫なのか。

ちゃんと生きていけるのか。

孤独でみじめな人生に転落しないだろうか。

だけど、もう何年も前からセミリタイアの準備を進め、そして決心したのです。

よしっ、と決意してボタンをクリックしました。

 

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翌日。

白い封筒に入れた退職届を持参して会社に行きます。

上司はすでにメールを読んでいるはずです。

どんな顔をして、どんな話をすればいいのだろう。

意を決して部署に入ったのですが、席に着いたときは上司は不在でした。

ちょっと気を削がれたのですが、普段を同じように仕事をするしかありません。

いつもどおり、ときどき同僚と雑談を交わしながら仕事をしていました。

しばらくして上司が着席したのが確認できました。

おもむろに上司の机に歩み寄って、「これ、お願いします」と封筒を差し出しました。

 

事情を根掘り葉掘り聞かれるのだろうな。

もしかしたらいろんな条件を出されて引き留められるかもな。

前夜はそんな想像をしていました。

少なくとも「ちょっと、お茶でもしようか」と別室で話し合いになるだろうと予想していました。

そりゃそうですよね。

20数年もこの会社に勤めてきたのです。

しかも、来年の大事なプロジェクトに関わっている。

それが、突然退職すると言ってきた。

上司にとっては寝耳に水です。

退職するとなったら、その理由ぐらいは聞かれるだろうと思っていました。

 

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ところが。

上司はひとこと、「承知しました」と言って封筒を受け取っただけでした。

拍子抜けしました。

ぼくはこう想像します。

メールを受け取ったとき、上司が驚いたのは間違いありません。

だけど、上司とぼくとは長い付き合いです。

ぼくの性格もよく知っています。

何を言っても、一度出した結論を取り下げる男じゃないってことも、熟知しているでしょう。

「あいつが辞めると決めたんだから、何を言っても変わることはないだろう。それなら、今後の善後策を考えるしかない」

たぶん、こう考えたのではないでしょうか。

 

そもそも、何十人もの部下を抱える上司にとって、ぼくは代わりのきく駒の一つにすぎません。

これまでも、多くの突発事項や大きなトラブルを上司が処理してきたのをぼくは知っています。

自分が思っているほど、他人は自分の人生のことを重く考えてはいないのです。

「あちゃ~、あいつ辞めるのか。しょうがないな」

上司にとっては、ぼくの退職なんてそれくらいの重みのものなんだと思います。

 

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その後の会議でも、いつもどおり話しかけてきて、普段と変わらない1日を過ごしました。

前夜も遅くまで仕事をしていて、疲れが残っていたからでしょうか。

特別な高揚感や感慨はわいてきませんでした。

ただ、セミリタイアへの一つの大きなステップが終わり、少しの安堵感と解放感をおぼえました。

そして、わずかな不安も抱えて会社を後にしました。

これで、決まった。

来年からセミリタイア生活が始まります。