企業の「働き方改革」は進む、でもそれを待ってはいられない
いまは各企業で「働き方改革」が進められています。
無駄な残業を減らしたり、フレックス制を導入したり。
一番大きいのは、有給休暇の義務化でしょうね。
今年の4月から、従業員に年5日の有給休暇を取得させなかった場合、会社に1人あたり最大30万円の罰金が科されることになったのです。
ぼくが務める会社も、あわてて対策を講じ始めました。
なんせ激務で知られる業界ですからね。
まともに休みが取れない社員も多い。
部下が有給休暇をちゃんと取っているか、表をつくって確認したりして。
でも、リストラと高齢化が進んでいるなかで、仕事量は増えるばかり。
働き方改革も、スムーズには進みません。
この記事の筆者も、現在の働き方に対して疑問を投げかけています。
向こう数年で、多くの人の働き方が大きく変わっていくだろう。私たちはなぜ、産業革命時代に作られた決まりを固持しているのだろうか? 当時の仕事のタイプは今とは全く違うもので、特定の機械を利用したり、人と人とが直接顔を合わせて働いたりする必要があった。上司ははぜ今も、部下を決められた時間に出退勤させたがるのだろうか? 在宅勤務であれば今まで通勤に要していた時間を有効に利用できるのに、1日2時間以上も渋滞や電車の中で過ごすよう強いるのはなぜか?
その通り。
これから、どんどん働き方がいい方向に変わっていくといいなと思います。
だけど、問題があります。
「向こう数年で、多くの人の働き方が大きく変わっていくだろう」とこの記事は書いているのですが、ぼくにとって「向こう数年」じゃ遅いのです。
変化って、そんなに急に進むものじゃありません。
特に会社の上層部にいる年配の管理職の意識を変えるのは大変です。
4年前に過労自殺事件を起こした電通が、いまだに違法な長時間の残業をさせていたことが先日明らかになりました。
会社の体質やシステムって、数年じゃ変わらないんですよ。
これから日本の企業でもリモートワークなり週休3日制なりが導入されていくかもしれません。
でも、それが本当に浸透するには5年、10年の時間がかかるでしょう。
「やっと人間らしい働き方ができるようになったよ」と思ったときには、ぼくはすでに定年間近になっている。
それまでの時間は、これまで通りの働き方が続くのです。
20代、30代の若手だったら、5年や10年ガマンしてもいいでしょう。
だけど、アラフィフのぼくにはもう時間が残されていません。
体力がないとできないこともある。
歳を取ると好奇心も衰えてくるでしょう。
仕事以外はほとんど何もできない働き方とは、来春でさっさとオサラバです。