逃げ切れる人たちと、逃げ切れない世代
仕事で新たな会議が増えました。
それにしても、どうしてこうも会議が好きなんですかね。
懐疑的になります。
こんな親父ギャグでも飛ばさないとやってられません。
会社の中にはヒマな部署というのがあるもので、そういうところでは何かをやっているというアピールを懸命にやるんですよ。
そうやって訴えていないと自分たちの存在意義が否定されますからね。
それには会議が一番なんです。
あちこちからいっぱい人を集めれば、各所に一斉にアピールできるから。
でも、メール1本で済むような内容の会議に、いちいち参加させられるのはたまったものではありません。
とは言っても、宮仕えの哀しい中間管理職。
時間を割いてしぶしぶ足を運ぶことになるのです。
あほくさ。
とまあ、こんな愚痴を同僚にこぼすことは最近、めっきり減りました。
セミリタイアを考え始めてから、ぼく自身が変わったことの一つです。
会社の同僚と飲むことがほとんどなくなったんですね。
仕事をするのもあと1年足らずと思えば、多少の不満も我慢できます。
それに、社内の人たちよりも、仕事とは関係ない友だちとの関係をちゃんと築いておきたい。
だれと飲むのかまで、着々とセミリタイアへの布石を敷いているんです。
逆に言えば、会社を離れたあとは飲み相手が少なくなるということ。
不安の裏返しですかね。
そんななか、先日は珍しく会社の同僚たちとお酒を飲みました。
仕事終わりに何となく飲む雰囲気になったんですね。
サラリーマンの酒の肴と言えば、人事。
あいつは実はこんなことをやらかしたことがあったから地方に飛ばされたとか、だれとだれとは仲が悪いとか。
社内政治に関心がなく、事情に疎いぼくからすれば、「なるほど、そうだったんだ~」と知らないことばかり。
こういう話を聞くのも、もうしばらくすると一生なくなるかもしれないと思うと感慨深くなります。
中には酒グセの悪い同僚がいて、酔うほどに口が悪くなっていきます。
上司の悪口を言いまくり、「自己保身にばかり走りやがって」などと怪気炎をはく。
「また始まったか」と思いながら飲んでいたのですが、突然、ハッとする言葉を発したのです。
「AさんとBさんはかろうじて逃げ切れるけど、それより下の世代は逃げ切れないな」。
へえ~。
会社の業績は年々悪くなっています。
5年や10年でつぶれることはないけど、その先はわからない。
ぼくが希望退職に応募しようと考えている理由の一つには、会社の先行きの暗さもあるのです。
ただ、そんなこと、心の中で思ってはいても口にしたことはありませんし、耳にしたこともありません。
同僚の言葉を聞いて、「みんな同じようなことを思っているんだな」と驚きもし、どこかでちょっと安心もしました。
先のことを不安に感じているのは自分だけじゃないんだって。
ちなみに、ぼくは会社に残っていたとしてもかろうじて逃げ切れる世代に入ります。
辞めるんだけどね。
のちのち「サラリーマン生活を送っていたころはこういう飲み会もやってたなあ」と懐かしく振り返る日がくるかもしれません。
早くその日が訪れるのを、願っています。