「孤独はがんと同レベルに危険」との研究・・・セミリタイア生活をどうすればいい?
ぼくみたいにアラフィフでセミリタイアしようとする人は、圧倒的な少数派です。
いまは中高年をターゲットにしたリストラの嵐が吹き荒れていますが、それでも定年まで勤め上げるひとが大多数を占めるでしょう。
ただ、定年退職するひとも、セミリタイアするひとも、その後の人生においては同じ問題を抱えています。
老後資金と、社会的なつながりです。
「老後2000万円」のキーワードで、いちやく脚光を浴びた老後資金問題。
セミリタイアをめざすひとたちにとっては、より意識せざるを得ない課題ですね。
「逃げ切り計算機」を活用し、何度も何度も綿密に計算して、エイヤっとセミリタイアに踏み切る。
きっと、みなさんそうでしょう。
その後もインフレへ懸念や投資の行方などに注意しながら生活することになります。
収入がなくなることって、恐怖ですからね。
定年退職する人は、資金面ではセミリタイアする人よりも余裕があると思われます。
問題は、社会とのつながりです。
それまでずっと会社に勤めていて人間関係を構築していたのが、そのつながりを突然切られるのです。
その状況に対処のすべがないおじさんたちが、妻にまとわりついて「濡れ落ち葉」と揶揄されるようになるんですね。
あるいは図書館に群がって新聞の取り合いをするとか。
セミリタイアするひとは、その状況に陥るのが10年なり15年なり早いだけ。
会社を通じた社会とのかかわりが無くなるという点では、定年退職者と同じ問題を抱えることになります。
実は、退職者の健康にとって、社会的なつながりは資金問題よりも4倍も大事だという研究があるそうです。
記事はこのように説明しています。
多くの人々は退職後の年金プランなどの金銭的な問題を気にしがちですが、研究チームは「退職後の人々の身体および精神的健康を予測する因子として、社会的つながりは財政状況の4倍も強くリンクしていることがわかりました」と指摘。孤独が健康に密接に関連していることが世間に知られていない点を、研究チームは危険だと捉えています
たしかに、定年やセミリタイアで語られることのほとんどが金銭問題です。
だけど、実は社会的なつながりの方が、はるかに大事だってことですね。
せっかく会社から逃れたのに、孤独になって心身の健康を害したらどうしようもありません。
ただ、この「孤独」は世界的な問題になっていて、対処するのがけっこう難しいようです。
現代社会では社会的なつながりが弱まっており、慢性的に孤独を覚える人が伝染病レベルで増加しているともいわれています。クイーンズランド大学やオーストラリア国立大学の研究者らは、「孤独はがんと同レベルに危険な『社会のがん』と捉えて対処すべきだ」と主張し、孤独になりやすい社会的グループについて説明しています
うーむ、「社会のがん」ですか。
ヤバイですね。
せっかくセミリタイアするのに、濡れ落ち葉にはなりたくないよなあ。
ただ、定年まで会社に縛り付けられるよりも、セミリタイアした方が「孤独対策」には有利だとぼくは思っています。
毎日毎日会社に通っていると、どうしても時間と体力を仕事や通勤に奪われます。
たまの休日も、身体を休めるだけで精いっぱい。
趣味やイベントなどほかの世界を楽しむ余裕はありません。
定年近くになると、なおさらです。
体力も気力も衰えます。
仕事でくたくたになった60歳近いおじさんには、新しい物事に取り組む元気は残されていません。
人間関係も会社内で完結してしまう。
そして定年を迎えたら、いきなり放り出されてしまうのです。
50歳でセミリタイアしたら、話が違います。
仕事さえなければ、まだまだ動き回る元気も時間もある。
新しい世界に飛び込んでいくことも可能でしょう。
そこでどんどん仲間をつくっていけば、60歳以降もつながりをキープすることはできるのではないでしょうか。
定年まで働くのに比べたら、お金は少ないでしょう。
だけど、お金はあっても仲間もつながりもない状況よりはずっといい。
というわけで、来春セミリタイアしたらいろんなことにチャレンジして、仲間もたくさん作れればいいなと考えています。
実際、おじさんに友だちはできるのか。
どうなることやら。
乞うご期待。