今回のラグビー日本代表がぼくたちに教えてくれたこと
前半は互角に戦っていたので、「もしかしたらいけるかも・・・」と期待したのですが、残念でした。
やっぱり南アは強かった。
奇跡はめったに起きないから奇跡なんだと思い知らされました。
テレビではしょっちゅう「絶対に負けられない戦い」だの「ミラクルを起こせ」だの煽っているのですが、現実はほとんど実力通り、確率通り決着するものです。
厳しい~
だからこそ、番狂わせに価値があるんですけどね。
前回、強豪の南アフリカに勝ったのは予選リーグでした。
ぼくはサッカーのワールドカップはよく見るのですが、強豪国と日本のような弱者とでは戦い方が違います。
ブラジルやドイツなどの優勝候補は、決勝までの道のりを計算して戦います。
優勝するには決勝トーナメント1回戦から4試合も戦わないといけませんからね。
言ってみれば予選リーグは「練習」で、準々決勝あたりからが「本番」という意識です。
ラグビーの場合は予選を突破したらベスト8なので、ニュージーランドやイングランドなどの優勝候補にとってみれば、ここからが「本番」なのでしょう。
一方、日本みたいな国は予選突破が一番の目標になります。
だから、予選の一戦一戦が「本番」です。
すべての試合に全力をぶつける。
前回、南アフリカに勝ったときは、そんな状況でした。
「練習」モードだった南アフリカに、「本番」でぶつかった日本が勝った構図です。
だけど、昨日は違った。
相手も「本番」モードでした。
日本はトライを一つも取れずに完敗。
世界との差を思い知らされましたね。
それでも、大健闘だったと思います。
いい夢を見させてくれて、うれしかった。
今回の日本代表がぼくたちに教えてくれたことがあります。
それは、日本はもうすでに国際化しているということ。
チームの主将がリーチ・マイケルで、ゲームキャプテンはピーター・ラブスカフニ。
スクラムを具智元が押し、トゥポウが走る。
今回の日本代表は、31人のうち15人が外国人選手でした。
それでも日本中が一体となって彼らを応援しました。
みんな、ぼくらの仲間です。
ここ何十年も日本では「国際化」の必要性が叫ばれてきて、いろんなところで国際交流を進めたり、小学校から英語を習わせる取り組みを始めたりしています。
でも、そんなことはお構いなしに、すでに日本は移民大国です。
テニスの大坂なおみや陸上のサニブラウンらスポーツ選手も国際化しているし、コンビニや居酒屋に行けば外国人の店員さんはまったく珍しくなくなりました。
今年の新宿区の新成人の2人に1人は外国人ですからね。
知人に都心の小学校で教えている人がいるのですが、そこでも児童の大半が外国人。
たまに日本人の転校生が入ってくるとビックリするそうです。
よく「移民が増えると犯罪が増える」とか「規律やルールが乱れる」といった議論がされてきました。
でも、そんなことを論議をするいとまもなく、外国の人たちはすでにぼくたちの周りでたくさん暮らしています。
もはや現実なのです。
そして、いろんなルーツの人たちがいても一緒になってやっていくことは可能だということを、今回のラグビー日本代表のメンバーは教えてくれました。
ありがとう。