セミリタイアへのハードルを一つ乗り越えた、気がする
週末はときどき妻と出かけます。
お散歩したり、食事したり。
なんでもない、とりとめもない会話を交わす時間。
妻もなにかとストレスがたまっているようで、いろいろお話するのをふんふんと聞きます。
家族サービスって大事ですからね。
ときには、一緒に昼間から少しお酒を飲むこともあります。
そして、ほろ酔い気分で昼寝する。
平日はクタクタに疲れているので、くたびれたおじさんにはそれくらいの週末がちょうどいいんです。
子どもは成人していて行動は別々だし、ぼくには活発に遠出する気力も体力も残っていません。
心と身体を充電して、次の週末までの日々をなんとか乗り越えるだけのエネルギーを蓄える。
虚しいといえば虚しいですけどね。
そんな風に妻と食事していたとき、ちょっとお酒の力を借りておそるおそる切り出しました。
セミリタイアについて。
自分では「来年、早期退職する」と決めていても、やっぱり妻の同意は必要です。
長いセミリタイア生活を送るうえで、一緒に暮らす伴侶が納得していないまま過ごすのはお互いにとって良くありません。
考えがすれ違ったままだと、きっとどこかでケンカして破綻するでしょう。
いろんなセミリタイアブログを読んでいますが、奥さんの理解をちゃんと得られていないひとはなにかと苦労しているみたいです。
ぼくは、早く会社を辞めたいと数年前からそれとなく会話の中で匂わせてきました。
でも妻の反応は芳しくなく、あれこれ言いながら仕事を続けろというプレッシャーをかけ続けてきます。
それでもずっと言い続けてきた成果が出てきたのか、少しずつ考えが変わってきたようです。
ぼくが責任者の1人である数年がかりの大きなプロジェクトがあり、妻からは「少なくともそれまでは続けないとね」と言われてきました。
いよいよ、来年が迫って現実味を帯びてきたのです。
そろそろ、切り出すチャンスだ。
「仕事は来年まででいいよね」
酎ハイの力を借りて、そんな風に言ってみました。
すると妻から「だいぶ頑張ってきたもんね」と答えが返ってきたのです。
キター!!
心の中でリトル織田裕二が叫びました。
古いか。
モノマネの山本高広の方がこの場面に合ってるかも。
知らないか。
ともかく、いままでは「もうちょっとやんないと」「仕事があるうちは働かないとね」みたいに妻から言われてきたのです。
それが、初めて同意する言葉が戻ってきた。
いろんな理由があるのでしょう。
ひとつは、子どもが成人して自立するメドが立ってきたこと。
妻はずっと働いており、順調に仕事をしていて経済的になんとかなりそうだということ。
そして、ぼくの仕事が激務だというのを妻が理解していることもあります。
最近は毎日、高血圧などの薬を何種類も飲んでいるのを、妻も知っているのです。
実は、下地もあります。
以前に書いたことがあるのですが、ぼくは仕事をするのがイヤで大学を卒業したあとも海外をフラフラしていた時期があるのです。
妻とはそのころに出会ったので、働くのがイヤだというぼくの気持ちは分かってはいるのですね。
古い友人たちもよく知っていて、たまに会うと「まだ働いてんの?」と言ってきたりします。
学生時代のぼくを理解している友人たちにとっては、これだけ長い間働いていること自体が驚きなんですね。
というわけで、セミリタイアに向けて、積極的ではないにせよ妻の同意が得られました。
ハードルを一つ乗り越え、大きな前進です。
あとは希望退職の募集がある、その日を待つだけ。
ただひとつ怖いのは、妻の心変わりですね。
いままでも、決めたことを「やっぱりやめた」と言い出したことは何回もあるのです。
「どうして? ちゃんと決めたのに」と指摘しても「そのときはそう思っただけ」で済まされます。
こればかりはどうしようもありません。
それに、季節はもう秋ですしね。
女心と秋の空。