表情フィードバック仮説はウソ? 笑顔でいると仕事をしていないと思われている男
会社には業務を手伝ってくれるパートの方々がいます。
ぼくが働く部署にも2人の女性が交代で勤務にはいっています。
同じくらいの年代の中年の2人ですが、性格は対照的です。
Aさんはいつもにこやかで、社員にも気さくに話しかけます。
お子さんは大学生とのことなので、もう子育ても終わって気楽なのでしょうね。
会うとニッコリしてくれるし、周りを穏やかな空気に変えてくれます。
雑談の中から仕事のヒントがつかめることもあります。
1家に1台ならぬ、1部署に1人はいてほしい、明るいおばさん、いや、マダムです。
昼食時になると、いそいそとパート仲間たちとランチに出かけていきます。
こちらも「おっ、マダムたちはどちらへ?」なんて気軽に声をかけられるし、仕事も頼みやすい。
もう一人のBさんは、口数が少ない人です。
良く言えばもの静か、悪く言えば暗い。
いつもオドオドしていて、頼みごとをする際に「すみません・・」と声をかけると、ビクッとするんです。
なんだかこちらが悪いことをしたみたいな気になって、一緒にいると無実なのに罪悪感を感じてしまいます。
だから、仕事中も彼女がいるときはシーンとなってしまうんです。
つくづく思いますね。
「男は度胸、女は愛嬌」って、まさにそのとおりだと。
女性は愛嬌がある人が一番です。
実はこのフレーズには続きがあって、「男は度胸、女は愛嬌、坊主はお経」となるそうです。
ただのゴロ合わせですな。
まだ「極道は任侠」とか「カレーはラッキョウ」とかの方がマシかも。
いまブレイクしているゴルフの渋野日向子選手は、絶世の美女というわけではありませんが、あの魅力的な笑顔で多くの人を惹きつけています。
笑顔でいることでポジティブな気持ちになり、それがゴルフにも生かされているようですね。
心理学者のシルヴァン・トムキンスという人が提唱した「表情フィードバック仮説」というものがあります。
表情がフィードバックされて、その表情にあわせた感情が引き起こされるという説です。
つまり、「楽しいから笑顔になる」のではなく「笑顔でいるから楽しくなる」というもの。
表情が感情をつくりだすということですね。
この説については様々な検証が行われており、まだ正しいかどうか結論が出ていません。
でも、感覚的には分かる気がします。
「悲しいから泣く」のではなく、「泣くから悲しい」という状況は、特に女性の方々は経験したことがあるかもしれません。
なぜ女性に限定したかというと、中年の男はいつも心の中で泣いているから。
ともかく、ぼくもできるだけ笑顔でいるように心がけてはいます。
でも渋野選手のようにはうまくいかないんですよ。
渋野さんはニコニコしていますが、ぼくの笑顔はニヤニヤに見えるんでしょうか。
周りの反応もまったく違う。
「いつもヒマそうでいいねえ」
「ちゃんと仕事しなさいよ〜」
何を言うんですか。
表情は笑顔を浮かべていても、心の中はさめざめと泣いているんですよ。
おじさんの悲哀なんて、だれもわかってくれない。