ひまつぶしライフ

人生は死ぬまでのひまつぶし。セミリタイアして、そんな日々を送りたい。

東京と高知の違いは、東京とニューヨークの違いよりも大きいと思う

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都会の喧騒に疲れ、ふと思う。

ああ、こんなゴミゴミとした場所を離れて、田舎でのんびり暮らしたいなあ。

きれいな空気、豊かな自然、そして温かい人たち。

通勤ラッシュで疲弊する都会とはまったく異なるユートピアが、田舎にはあるに違いない。

そんな期待を膨らませて移住を決める人も、多いかもしれません。

 

ところが、頭の中で想像したことは、ただの妄想でしかない可能性もあります。

実際、移住を受け入れる側の高知県が、「田舎暮らしは甘くない」と訴える動画を配信しているのです。

 

4分ほどの動画を、実際に見てみました。

youtu.be

 

期待を胸に東京から移住してきた若者ヨシダくんが、地元のシオザキさんに悩みを打ち明けています。

ヨシダくんは高知での田舎暮らしに馴染めず、東京に帰ろうかと考えているのです。

彼がやってきた時の田舎のイメージはこんな感じでした。

「物価も安いし、人も穏やかそうだし、ストレスとかなさそうじゃないですか」

でも、実際はこう。

「ご近所さんが勝手に家ん中入ってきたりするじゃないですか。ああいうのホント苦手で」

さらにボヤきは続きます。

自治会入んないとゴミ出しできないとか、そういう田舎っぽいしきたりもよくわかんないし」

話し相手となっている地元のシオザキさんの顔が、東京出身のヨシダくんには宇宙人に見えます。

ところが、シオザキさんの方もこう言うのです。

「実をいうと僕らからは君が宇宙人に見えてるんだよ」

 

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これ、ホントですね。

東京と高知の人たちは、お互いを宇宙人と見てしまうくらい価値観が違うのではないでしょうか。

東京と高知の違いは、おそらく東京とニューヨークの違いよりも大きい。

グローバル化が進んでいる世界では、大都会はどこも同じような店が並び、似たような価値観を共有しています。

ニューヨークにも東京にも一風堂牛角ゴーゴーカレーはあるけど、高知の田舎町には見当たらないでしょう。

コンビニやファミレスで当たり前のように外国人が店員として働いている風景は、きっと田舎にはありません。

個々がそれぞれ自分の人生を好きなように生きている東京やニューヨークでは、他人が何をしようがまったく気にしません。

だから近所の人が勝手に家の中に入ってくるなんて想像さえできないし、すぐに警察に通報されてしまいます。

そもそも近所に住んでいる人が誰なのかもほとんどの人たちが把握していないでしょう。

自治会活動をしないとゴミ出しさえできないなどというルールがあったら、世界中の人々がひっきりなしに出入りする大都会の生活は崩壊してしまいます。

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移住するときには仕事をやめ、家を引き払い、子どもを転校させないといけません。

大きなリスクを背負うものだから、移住のいいところだけでなく、負の側面も知った上で決断しないといけないんですね。

そして、環境や価値観が思ったよりも大きく違うことも知っておいた方がいい。

過疎高齢化が進んで移住をドンドン受け入れたい高知県がわざわざこんな動画を作っているのは、素晴らしいと思います。

きっと失敗例をたくさん見てきたのでしょう。

 

ちょっと考えたら、高知県ってあそこですよね。

「まだ東京で消耗してるの?」と煽って若者たちに田舎暮らしを呼びかけているイケダハヤト氏の移住先。

県が見るに見かねて注意喚起を始めたのか、なんてついつい勘ぐってしまいました。