ユーミンが若者を魅了する時代、いいものは時空を超える
ユーミンこと松任谷由実(荒井由実)の長年のファンが、ぼやいているそうです。
「最近はコンサートに行くと、若い人たちが増えちゃったのよね〜」
ご存知のように、ユーミンは70年代、80年代を中心にヒットを飛ばしてきた大スターです。
「やさしさに包まれたなら」「守ってあげたい」「真夏の夜の夢」など名曲は数知れず。
車で高速道路を走るたびに、ぼくの頭の中を自然と「中央フリーウェイ」のメロディーが流れます。
歌詞の「♪右に見える競馬場〜 左はビール工場〜」の部分を替え歌にしちゃったりして。
昨年の紅白歌合戦では、サザンの桑田佳祐との夢のコラボが実現してオールドファンを熱狂させましたね。
ぼくもその場面を見ていて、思わず「オー!すげ〜!」と興奮しました。
そのユーミンはいま、65歳。
だから、昔からのファンは50代や60代が多いのでしょう。
50歳を過ぎると、若いころのようにコンサートの間、総立ちで盛り上がり続けるのは体力的に厳しい。
みんな席に座ってユーミンの歌をゆったりと楽しむ雰囲気だったそうなんです。
そこに、若いファンが流れ込んできた。
オールドファンのおばさんたち、じゃなかった、マダムたちはゆっくり座って見たいのに、若者たちはほかのコンサートと同じように立ち上がってしまう。
そこで、ファン同士の「世代間闘争」が始まってしまったようなのです。
おばさんファン、いや、マダムファンのぼやきも分かる気がします。
ファン層が広がるのも、いいことばかりじゃないんですかね。
ところで、ユーミンが突然、若いファンを獲得し始めたのはなぜでしょうか。
どうも、ネット配信がその理由のようなんです。
昨年から、Apple Musicなどサービスでユーミン全曲のネット配信が始まりました。
それで初めてユーミンの音楽に触れた若い人たちがファンになり、コンサートにも詰めかけるようになったというわけです。
かつて、音楽の人気はテレビ・ラジオ番組のチャートや、CDの売り上げで決まっていました。
テレビの「ザ・ベストテン」やFMの「HOT 100」などで、どんな歌が巷で流行っているのかを知ったものです。
時代は変わりました。
いまはネット配信によって、国や時代を問わず、どんな曲でも聴けます。
70年代だろうと90年代だろうと、いい曲はいい。
若い人たちは、その歌がいつ流行ったのなんか知らないし、気にしません。
ただ、気に入った曲を聴くだけなんです。
そして、コンサートにも足を運ぶようになる。
YouTubeの影響もありますね。
ステキな映像は、時代も国も超えます。
歌だけでなく、ファッションも人気のきゃりーぱみゅぱみゅは、海外のファンも多いですからね。
ドラマや映画も同じです。
アマゾンプライムやNetflixによって、どんなコンテンツも手軽に見られるようになりました。
海外ドラマは日本でも人気だし、見逃したドラマも簡単に見られます。
往年の人気ドラマ「大草原の小さな家」が、ひそかなマイブームだと話している知人もいます。
ぼくのひそかなマイブームは「深夜食堂」です。
やっと「孤独のグルメ」シリーズを見終えたからね。
遅れてる?
気にしない、気にしない。
いいものは、いいんですよ。